こんにちは。
「将来、こんな会社にしたい」「こんなサービスを提供できる組織になりたい」
経営者なら誰しも、そんな“ビジョン”や”夢”を心に描いたことがあるはずです。でも、そのビジョンを「具体的なカタチ」にするのは意外と難しいもの。
そこでおすすめしたいのが、「未来組織図」。
組織図は、会社のあるべき姿を人の配置で形にしたもの。設計図の一種。ビジョンを実現するために「どんな人が、どんな役割を担い、どんなチームが必要か」を一目で分かる形にすることで、夢がぐっと現実に近づきます。さらに今の現状からすると、どんな人材が必要なのか、社員にどんな成長を期待したいのかを考えることができます。
1.ビジョンから「必要な役割」をイメージする
ビジョンを実現するには、どんなチームが必要でしょうか?
「その姿を実現するには、どんな役割やチームが必要か」を考えます。
たとえば、「日本中にファンがいるアパレルブランドになる」なら――
商品企画やデザイナーが必要。
一流の接客ができる店舗運営や販売スタッフが必要。
オンラインショップ運営チームも必要
SNSや広報を担当する人も大切
仕入れや在庫管理、経理も必要
自社にあった教育を作る人事も必要
など、“必要な役割”が見えてきます。
その役割(部署名)を書き出してみましょう
商品企画・デザイン
製造
生産管理
バイヤー(仕入れ担当)
店舗運営(店長・販売スタッフ)
オンラインショップ運営
SNS・広報
カスタマーサポート
経理・事務
人事・採用
・・・思いつく限り、どんどん書き出してみましょう。
2.「未来組織図」=「理想の組織図」を描く
組織図とは?
組織図は、「どんな役割があり、誰がどの役割を担当するか」を図で表したものです。
難しく考えず、手書きでも大丈夫ですので書いてみましょう。
組織図の描き方(アパレル企業の例)
一番上に「社長」や「代表」を置く
その下に「商品企画」「店舗運営」「EC運営」「広報」「事務」などのチームを並べる。
ビジョンを実現するためには何店舗の組織ですか?エリアや店舗数もこだわりましょう。
各チームの下に「担当者」や「役割」を書く。
たとえば――
代表
│
├── 商品企画・デザインチーム
│ └─ デザイナーA
│ └─ デザイナーB
├── 生産・仕入れチーム
│ └─ バイヤーA
│ └─ 生産管理B
├── 店舗運営チーム
│ └─ 店長A
│ └─ 販売スタッフB
├── オンラインショップ運営チーム
│ └─ EC担当A
│ └─ カスタマーサポートB
├── SNS・広報チーム
│ └─ 広報担当A
└── 事務・経理チーム
└─ 経理A
└─ 人事B
ポイント①
「今はいない役割」も入れましょう!
たとえば「将来は広報専任を置きたい」「EC専門チームを作りたい」など、理想を描くのが大切です。
ポイント②
人数も書いてみる
たとえば「販売スタッフ5人」「デザイナー2人」など、必要だと思う人数も書きましょう。
ポイント③
忘れてはいけいないのが一つのチームに所属する人数の上限を決めるということです。
一つのマネージャーがきちんと責任をもって管理できる人数は8人です。
これ以上のチームは分けてみましょう。
3.「今」と「理想」のギャップを確認する
今の組織図と比べてみましょう。
理想の組織図ができたら、今の組織図と見比べてみましょう。
(組織図がなければ作りましょう)
今は「デザイナー」がいないけど、将来は2人必要。
パターンナーはあの人がいいな。等
「EC運営」は今は店長が兼任しているけど、専任担当を置きたい
など、「足りない部分」や「重なっている役割」がギャップとして見えてきます。
このギャップが、これからの「採用計画」や「教育計画」のヒントになります。
4.「全員貢献経営」で組織を育てる
会社の従業員全員が自分の能力を発揮できる組織へ.。
理想の組織を作るには、経営者だけでなく、スタッフ全員が「自分もブランドの一員」として貢献する意識が大切です。
ポイント④
組織図を書くと、担当者ごとの枠組みができてき、役割と責任の所在が明確になります。
自分の本当の上司はだれかに気付く人もいます。
5.組織図を見ながらディスカッションをしてみましょう
「この役割にチャレンジしたい」「将来はこの仕事をやってみたい」という希望も聞いてみましょう
6.計画的な「採用」と「教育」がカギ
必要な人材を計画的に採用することを考えましょう。
理想の組織図をもとに、「どんな人を、いつまでに採用するか」できれば計画に落とし込みましょう。
「来年までに販売スタッフを2人増やす」
「3年後には広報担当を採用する」
など、目標を立てておくと、採用活動もスムーズになります。
育成・教育を計画的に行う。
どんな人材が必要か分かれば、教育計画を作れます。
マニュアルは必要なのか、マネージャーは経営数値を把握できているのか、店長はアルバイトの教育方法を知っているのか。
こういった教育により、仕組みを作っていくことで、精神論ではなく論理的な人材育成を行える組織になってきます。
7.組織図は「毎年見直す」のがコツ
組織図は「一度作って終わり」ではありません。
毎年、ビジョンや事業の状況に合わせて見直すことが重要です。
組織図も変化に合わせて見直すPDCAが重要です。
こうして「当社だけのオリジナルの組織図」を育てていきましょう。
8.まとめ 〜組織図が「会社の未来をつくる」〜
将来のビジョンを言葉にし、それを組織図に落とし込むことで、「夢」が「現実」に近づきます。
まずは、理想の姿を自由に描く。
次に必要な役割や人数を組織図にする
今の組織図と見比べて、足りない部分を明確にする。
計画的な採用と教育で、理想の組織に近づける
将来の組織図は自社の未来の形そのものです。夢を形にする大切な一歩です。
ぜひ今から初めてみてください。
Rev経営支援事務所では、「ビジョンづくり」や「組織図の作成」「全員貢献経営の実践」を支援しています。「うちの会社もやってみたい!」と思ったら、ぜひお気軽にご相談ください。
